CKD(慢性腎臓病)が進むと、尿毒症毒素は尿(おしっこ)として体の外に出にくい一方、尿毒症毒素の原料である蛋白質は腸から吸収されて、体内の尿毒症毒素はさらに増加することになります。こうして尿毒症毒素によって血液が汚れ続ければ、やがて尿毒症の症状があらわれるようになって、生命に危険が及ぶことから、その前に腎臓にかわって血液をキレイにする、透析療法をはじめたり、場合によっては腎臓移植を受けたりする必要があります。
透析療法をはじめるタイミングは、お医者さんと相談した上で決めるものです。また患者さんの体調などによっても、その時期は違ってきますが、CKDの進み方でいうと表のステージ5、推算GFRが15未満になったら必ず透析療法をはじめる準備をし、開始の時期をお医者さんと相談すべきです。腎臓移植を希望する場合も、あらかじめお医者さんと十分な打ち合わせが必要です。
もちろん、食事療法やお薬による治療をキチンと続けることで、腎臓の働きを保つことができれば、腎臓移植や透析導入の時期を遅らせることができます。しかし、腎臓移植や透析療法という新しい治療に安心して移行するためには、なるべく早くから時間をかけて、しっかりと準備をすることが重要です。
CKD診療ガイド2012より抜粋、要約